今回はマーケット分析です。市場の分析を行うにあたり、人口ピラミッドを見て現状把握や将来予測をすることは欠かせませんが、例えば出店計画や売場戦略を策定する場合はどのように人口ピラミッドを見れば良いのでしょうか。
今回は人口ピラミッドの正しい使い方をご紹介します。
人口ピラミッドというと、どのようなものを想像するだろうか。最も頻繁に目にするのは下図のような形のものだろう。これは日本の人口ピラミッドで、60代中盤と30代後半に人口の多いグループが存在する。
この形はツインピークス型と呼ばれ、60代中盤が戦後の第一次ベビーブームで誕生した「団塊の世代」であり、30代後半が第二次ベビーブームで誕生した「団塊ジュニア世代」である。なお、本稿で紹介している人口ピラミッドは平成22年の国勢調査に基いて作成されたものであるため、現在は全体的に4歳分上に移動していることになる。
出典:平成22年国勢調査人口等基本集計(総務省統計局)
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日本全国の人口ピラミッドに対して下図の人口ピラミッドを見ると、形が大きく異っていることが分かる。これは同じ平成22年の東京都の人口ピラミッドである。日本全国との比較における最も大きな違いは、人口が一番多いのが「団塊ジュニア世代」を中心とした40歳前後である点で、人口が多いはずの「団塊の世代」は、実は東京都では少ないことが分かる。
これは東京都の場合、働き盛りのファミリー層が多いことを表している。
出典:平成22年国勢調査人口等基本集計(総務省統計局)
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次の図は秋田県だが、こちらは東京都とは対極的なピラミッドと言えるだろう。特徴的なのは20歳前後で急激に人口の減少が発生していることで、多くの若者が東京などの都会に移り住んでいるためだと考えられる。さらに30~40代もあまり多くなく、人口が多いのは団塊の世代~70代以上のグループとなっている。
出典:平成22年国勢調査人口等基本集計(総務省統計局)
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最後に下図だが、これは滋賀県である。子供の数が多く、20代での人口の流出も少ない。さらに30~40代も多く、非常に安定した形となっている。
出典:平成22年国勢調査人口等基本集計(総務省統計局)
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このように、単純に人口ピラミッドと言っても、都道府県別に細分化すれば全国平均とは大きく異なった形をしていることが分かる。
また人口は消費者の価値観のように短期間で大きく変動するものではないため、精度の高い将来予測が可能な要素ともいえる。
特にショッピングセンター等を売場として全国展開をするようなブランドであれば、出店計画においてこの都道府県別人口分析は欠かせない作業となるだろう。
以上、マーケット分析「人口ピラミッドの正しい使い方」でした。
次回はアクセサリーのトレンド分析で、秋冬の注目バッグをご紹介したいと思います。
どうぞお楽しみに。
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