今回はこれまでのトレンド情報とは異なり、当社が年2回作成しているマーケット分析レポートより、今後のファッション業界にも影響を与えそうな市場の動向をご紹介したいと思います。
国内における各年代の婚姻状況について、時系列を追って国勢調査の検証を行うと、2000年から2010年にかけて全ての年代の男女で未婚率が高まっており、「結婚しない人々」が増えていることが分かる。
この未婚者数の増加によって新たな消費市場が生まれると期待され、その中でも、今後は特に「40代未婚男性」が重要な顧客セグメントとなると考えられる。
何故ならば、40代というのは特段大きな支出がない一方で賃金がピークを迎える場合が多く、可処分所得が最大化されやすい年代であり、さらに団塊ジュニア世代と呼ばれる人口の多い層が現在40代に突入し始めているためである。
上図は「40代男性の未婚率と未婚人口」をグラフで表したものである。
2010年の未婚率は40歳~44歳(赤線)で28.6%、45歳~49歳(青線)で22.5%で、2010年の40代男性未婚人口は「216.5万人」であり、未婚率・未婚人口とも2000年から大きく上昇した。
今後、2000年から2010年かけての上昇速度で未婚率が上昇した場合、2020年には40代男性未婚率は40歳~44歳で38.5%、45歳~49歳で28.2%となり、未婚人口は2010年より約80万人増の「294.5万人」に達すると推計される。
また、三菱総合研究所によると男性全体の消費額は横ばいの30兆円で、2人以上の世帯を持つ男性の市場規模が減少傾向にあるなか、未婚男性の消費は2010年の17兆1,560億円が2015年に17兆7,450億円へ伸びる見通しであり、さらに「40代未婚男性」に限るとこの5年で19.7%も消費が伸びると試算され、非常に有望な顧客になることがわかる。
団塊ジュニア世代の傾向として、趣味などのこだわるモノゴトには出費を惜しまないメリハリ消費や、ブランドや売場の価値だけでなくコストパフォーマンスへの意識が高いことなどが挙げられる。また未婚男性であることから異性からどう見られるかという部分も重要なポイントとなる可能性がある。このような傾向を的確に捉え、拡大する40代未婚男性市場を狙いたい。
上記のように、40代未婚男性をターゲットとした消費市場は有望視され、特に40代に突入しつつある団塊ジュニア世代の消費価値観に即したマーケティングを実施することが重要となる。
保守的とも考えられている団塊ジュニア世代ではあるが、未婚男性に限る場合、消費価値観がアクティブになる傾向があることに注目したい。
以上、有望視される40代未婚男性市場のご紹介でした。 次回もこのようなマーケット系のネタをご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに。