今回は前々回の「有望視される40代未婚男性の消費市場」に引き続き、当社が年2回作成しているマーケット分析レポートより、今後のファッション業界にも影響を与えそうな市場の動向をご紹介したいと思います。
2008年のリーマンショック以降、先行き不透明な日本の社会経済が与える不安を人と人とのつながりによって解消しようという傾向が見られた。そして、その動きは2011年の東日本大震災以降さらに加速し、幅広い交友関係よりむしろ親しい間柄の人間関係に重きを置く傾向が強まった。その結果、企業プロモーションにおける母の日・父の日ギフトの重要性は高まり、パーソナルギフト市場でもいくつか新たな動きが起きている。
丸井グループによる「母の日に関するお客さまアンケート」の調査結果によると、「母の日にプレゼントを贈る」と回答した人は2010年の65%から2011年には76%と11ポイント増加しており、消費者心理が実際に行動へと繋がっている様子が伺える。
次に注目したいのが、20代~30代の息子・娘から50~60代の父・母へギフトを贈るケースが増えてきていることである。これまでの母の日・父の日ギフト市場の中心には、70代~80代の父母にギフトを贈る40代~50代の息子・娘が中心に据えられていた。当然、企業のマーチャンダイジングも彼らをターゲットとするケースが多く、20代~30代はこの中でカバーしておく、という状況だった。
しかし、現在の20代~30代は自分たちの価値観で「カワイイ」「カッコイイ」と思えるギフトを贈り、父母と共感したいという考えをもっており、40代~50代向けのマーチャンダイジングとは切り分けて考える必要がある。
上記のように、母の日・父の日のギフト市場規模が成長している。またターゲット購買層については20代~30代の存在感が高まっているため、従来の40代~50代の顧客とは区別をしたうえで異なるマーチャンダイジングを行うことが重要となる。
以上、拡大・変化するギフト市場のご紹介でした。 今後も時々、このようなマーケット系のネタをご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに。